У КРИНИЦЫ(ФРОНТОВАЯ БОРОДА) |
泉のほとり(前線のひげ) |
Музыка: А.Новиков Слова: С.Алымов |
ノヴィコフ作曲 アルィモフ作詞 |
У криницы три девицы стали в ряд, Зачерпнув ведром водицы, говорят: «Кабы парень подошел к нам молодой, Напоили бы студеною водой». На зеленый луг Вышел дядя с бородой, С бородой боец фронтовой. Попросил подруг Напоить его водой, Напоить его водою ключевой. |
泉のほとりで三人の娘が並んで立っていた 水汲みした後、こう言った 「もしも若者がこっちへ近づいて来たら 冷たい水を飲ませてあげましょう」 緑の草地に 現れたのはひげ面のおじさん、 ひげ面の前線の兵士のおじさんだ 娘たちに頼んだ 水を一杯、 泉の水を一杯飲ませてくれと |
Ты, краса-душа, не жалей ковша, Не гляди, что я с бородой. Фронтовая борода для солдата не беда. Паренек я развеселый, молодой! |
美しい娘さん方よ、一杯の水を汲み惜しむな ひげ面の俺をじろじろ見るな 兵士にとっちゃ前線のひげは大したことじゃない 俺は陽気で元気な若者さ! |
«Брили немцев мы два месяца подряд, Извините нас, девицы, за наряд. Нас на крыльях битва жаркая несла, Потому-то борода и отросла». Закричал тут вдруг Парикмахер фронтовой: «Подходи, кто есть с бородой!» На глазах подруг Стал гвардеец молодой, Будто вымылся волшебною водой! |
「二月続いた戦いでドイツ兵を剃り落としたんだ 娘さん方、俺達のこの格好を許してくれ 厳しい激戦のおかげで ひげはこのざま、伸び放題さ」 その時突然、 前線部隊付きの床屋が叫んだ 「ひげ面はこっちへ来い!」 娘たちの目の前で 魔法の水で洗ったかのように (ひげ面のおじさんは)若き親衛隊員となった! |
Три подруженьки во все глаза глядят, У красавиц губы вишнями горят! А гвардеец топнул весело ногой. Разговор у них пошел совсем другой. Говори, гармонь, Плясовую заводи, Горяча молодая кровь. Мы народ — огонь, В круговую выходи! Не забыли на войне мы про любовь! |
三人の娘は皆じっと目を凝らし 美しい唇はサクランボのように赤くなった! 親衛隊員は陽気に足を踏み鳴らす 交わす会話はすっかり打ち解けたものとなった 語れ、アコーディオンよ 踊り歌を始めろ 勇士の血はたぎる 俺達は熱き民だ 踊りの輪に加われ! 俺達は戦争中でも恋を忘れはしなかった! |
Ты, краса-душа, не жалей ковша, Не гляди, что я с бородой. Фронтовая борода для солдата не беда. Паренек я развеселый, молодой! |
美しい娘さん方よ、一杯の水を汲み惜しむな ひげ面の俺をじろじろ見るな 兵士にとっちゃ前線のひげは大したことじゃない 俺は陽気で元気な若者さ! |
«Делу — время, а потехе — только час! Распрощаемся, красавицы, сейчас. Наше дело ― до победы воевать. Отвоюемся ― вернемся танцевать». И пошли в поход Расторопные стрелки Немца брить штыком до конца. Но метель метет,― Вьются белые платки, Льется песня про веселого бойца. |
「仕事も気晴らしも時間はごくわずかだけ! 娘さん方、今はお別れだ 俺達の仕事は―勝利まで戦うことだ 戦い抜いて―踊りに戻ってこよう」 そして敏捷な狙撃兵たちは 行軍に出発した ドイツ兵を銃剣で最後まで剃り落とすため 吹雪が吹き荒れるが まつわりつくのは白いプラトークさ 陽気な戦士を歌った歌が流れる |
Ты, краса-душа, не жалей ковша, Не гляди, что я с бородой. Фронтовая борода для солдата не беда. Паренек я развеселый, молодой! |
美しい娘さん方よ、一杯の水を汲み惜しむな ひげ面の俺をじろじろ見るな 兵士にとっちゃ前線のひげは大したことじゃない 俺は陽気で元気な若者さ! |
セルゲイ・アルィモフ(1892-1948、写真)作詞、アナトリー・ノヴィコフ(1896-1984)作曲による独ソ戦も終盤の1944年に作られた作品。このコンビで戦争初期にも「ワーシャ=ワシリョーク」、「サモワールの火縄銃」など同系統のユーモラスな内容の作品を発表しています。ロシアではこうしたコミック・ソングを「冗談歌(Шуточная песня)」というのだそうです。邦題は「泉のほとり」が一般的で、稀に「井戸端で」とする場合もありますが、ロシアでは「前線のひげ」の題で呼ばれることも多く、「У КРИНИЦЫ(ФРОНТОВАЯ БОРОДА)」または「ФРОНТОВАЯ БОРОДА(У КРИНИЦЫ)」と並列して書かれることもあります。 日本でもダークダックスの演奏などで親しまれており、私が中学生だったウン十年前は音楽の副教材として配られた歌集にも載っていました(「泉のほとり」という題名で。「ともだちの歌」という題名では歌った覚えがないなあ。年齢がばれるかな。と言うか、この曲が「ともだちの歌」という替え歌で歌われているの知りませんでした)。で、その歌集に載っていた訳詞が井上頼豊・川尻泰司・長沢勝俊の連名による比較的原詩に忠実な内容だったので、3番以降に「人民のほのお」とか「勝利の日めざし」とかの語句が出てくるわけです。何も知らない田舎の中坊だったので、「戦いから戻った兵隊さんがひげをそったらきれいになった」という内容はわかったものの、なぜ戦いから戻ってきたのに「勝利の日めざし」なのか疑問に思ったり、「人民のほのお」の「ジンミン」って何だ?と辞書で調べたりしたのを覚えています(たしか実際に歌っったのは2番までで3番以降は歌わなかったんじゃなかったかな?歌わない歌詞を調べる変わり者の中坊だったんだな…)。 で、軽快なメロディーは気に入ったので、少し成長して新世界レコード社の存在を知った時、真っ先にロシア語版「泉のほとり」のレコードの存在を確認したんですが、「ない」という回答でした。その時は日本での知名度と本国での評価は異なるのかなあ、と思いましたが、今思えば「ドイツ兵を剃り落とす」という語句がまずいのかな?前述の「ワーシャ・ワシリョーク」「サモワールの火縄銃」とともにアレクサンドロフ・アンサンブルのレパートリーになっていますが、他の2曲はLP収集時代に録音を入手できましたが、この曲はレパートリーに入っていることも不明でした。ラズモフスキー独唱の録音の存在もインターネット活用するようになってからかなり後のことです。実演でも長いこと取り上げてないんじゃないかな。下のアンサンブル・ドンバスの演奏のように舞台で上演するのには最適と思うんですが。 スーレン・バブロエフ指揮モスクワ軍管区歌と踊りのアンサンブル 1976年のセッション録音。 |